「ヒラオリクガメの飼育ポイント」ヒラオを約1年間飼育しましたが、その結果、季節、温度、湿度により餌の 好みや体調が変化することに気づきました。あくまでも我が家での結果なので 、他の個体に当てはまるか否かは判断できませんが、参考になればと思います。 主な対象は昨年10月末に購入したフルアダルトのペアです。 10月、11月、12月 飼育環境 室内温室の最下段。床材はダイヤマット(ゴムマット)。昼間はホットス ポット、夜間は、ナイトランプで、30度をキープ。一部にプレートヒー ター。ホットスポットの直下にホーローのバットを設置。湿度は50%程 度。 飼育状況 10月末に入手したが、雄は半分死んだような状態。雌の体調はよく、購 入後2日目より、レプカルのフード(紫が好み)、トマト、オレンジを食 べる。雄は、朝晩にポカリスエット温浴。この当時は飼育情報がほとんど なく、最初の2週間は湿度50%前後。調子があがらなかったので、環境 を変え、床材(ヤシ殻土+川砂)の90センチ水槽にする。湿度は60% 〜70%。2〜3日後から、ミカンを食べ出す。その後は、レプカル、チ ンゲンサイにも餌付く。体調が安定した後、元の温室の環境に戻す。温浴 はほぼ毎日行う。 体重 10月 11月 12月 雄 230 260 280 雌 350 380 410 1月、2月、3月 飼育状況 状態良く飼育するためには、空中湿度が必要だと気づく。と同時に床面の 湿度の重要性に気づく。床面の湿度が低いとゼンマイ仕掛けのようなぎこ ちない動きになってしまう。ただし、給餌時にスプレーして湿度を高める と問題なく餌を食べる。給餌間隔は毎日で、餌は、ミカン、オレンジ、小 松菜、チンゲンサイ、トマト、柿、パパイヤ、マンゴー、レタス、サニー レタス、オオバコ、レプカル等を与え、果物に対する反応が高かった。2 月に雌がひどい下痢をする。病院に相談したところ、駆虫薬をいただく。 駆虫したところ、ピンクの線虫が合計40匹程出てくる。雄は1匹しかで てこなかった。結局2回駆虫したが、その後雌の体重変動差が非常に大き くなる。温浴はほぼ毎日。 体重 1月 2月 3月 雄 290 300 300 雌 420 360 400 ---------------------------------------------------------------------- PART2 4月、5月、6月 飼育環境 5月に飼育環境変更。室内温室の最下段で床材をヤシ殻土に変更し、水入 れはなし。その他は変わらず。床材を変更したことにより、湿度は常時7 0程度をキープ可能となった。 飼育状況 床材を変更したのは、4月に入ってから、雌雄とも餌喰いが悪くなってき たので、湿度不足を懸念し、高湿度をキープするためにヤシ殻に変更。し かし、4月末から雄は全く餌をとらなくなる。ただし、目の張りはよく状 態は悪くない。雌の方は、多少食べるが、オレンジ、トマト、レタス等水 分の多い餌のみ食べる。配合飼料は見向きもしない。 4月に若そうなペアを導入したが、導入当時はかなり食欲があったのが、 5月に入ると、雄は全く食べなくなり、雌の食欲も低下する。6月になる と2〜3回に1回それも少量のみしか餌が減らなくなる。心配であったが 病院に連れていくリスク(環境変化)を考え、しばらく様子を見ることに する。餌を与えても食べないので、給餌間隔も3日に1回とする。温浴は 2日に1回行う。 体重 4月 5月 6月 雄 270 250 240 雌 400 370 360 7月、8月、9月 飼育状況 7月は相変わらず、餌をあまり食べない。暑い日が続くので、温度が35 度を超える日がでる。なるべく温度が上がらないように、温室の扉を半分 開けておく。湿度は70%をキープ。7月末より、若い雌がオレンジのみ 頻繁についばむようになる。ただし量は少量。8月に3日間旅行に行った が、その際に湿度が多少下がったらしく、雌2頭の代謝が低くなったよう で、目を閉じたまま動かなくなった。そのままにしておく勇気がなかった ので、代謝を高めるため、適温(30度)高湿度(ほぼ100%)の状況 に置いたところ、2〜3日で元通りになる。雄2頭は目を開けていて、状 態は悪くないが相変わらず、餌を食べない。8月の中旬以降から変化が見 られる。雌2頭が積極的にチンゲンサイを食べるようになった。毎朝、チ ンゲンサイを入れると、夜には茎まで食べているようでほとんど跡形もな くなっている。9月に入ると、まず若い雄が少量ではあるが、チンゲンサ イを食べはじめる。最近もう1頭の雄も食べはじめた。雌はかなり量のチ ンゲンサイを食べている。拒食中、雄2頭とも最高体重の20%以上体重 が減らなかった。 体重 7月 8月 9月 雄 240 240 270 雌 340 350 360 ---------------------------------------------------------------------- PART3 「ヒラオ飼育ポイント」 (1)駆虫 現在飼育している幼体〜成体全てにピンク色の線虫が感染していた。駆虫は 絶対に必要。病院によっては、餌を食べていないと駆虫してくれない。我が家 の雄が購入当初死亡しなかったのは、線虫がほとんどいなかったことが幸いし たと思っている。 (2)餌 我が家のヒラオは自分で食べたい餌を確実に選択していて、あるものしか食 べないという偏食傾向が少ないと感じる。家の場合、配合飼料と葉野菜を与え ると、今日は配合飼料のみ食べたが、次の日は葉野菜のみ食べるといった具合 に非常に気まぐれ。餌の選択権をヒラオにも与えた方が良いと感じる。ちなみ に我が家の餌の割合は「葉野菜:果物:配合飼料の割合は、7:2:1」です 。黄色、赤色系の食べ物が食欲をそそるような気がする。 (3)拒食 拒食には、 @「夏眠状態による食欲減退(推測)」 A「飼育環境が合わない食欲減退」 B「体調不良による食欲減退」 があると感じる。我が家の場合は、餌を食べた時期があり、駆虫もしてあっ たので、@と信じて4ヶ月我慢した(結構不安でした)。AとBの場合の区別 は付きにくいと思うが、購入時の状態で左右されるので、不安があれば、一度 獣医に相談した方が良いと思う。水分補給は必要なので、2日に1回程度は温 浴した方がよい。その際にポカリの温浴は有効かもしれない。 (4)温度、湿度 温度は最高で30度もあれば十分だと思う。下は怖いので25度程度までし か下げなかった。また、プレートヒーター等で下からも暖めないと体調を崩す ことがある。湿度は通常時60〜70%で十分だと思う。床面の湿度が高い方 が活発に動く向にある。 (5)糞 体調が良いと糞をする回数が少ないように感じる。多くても週に1回程度。 逆に体調不良の際は、糞の回数が多くなり、軟便傾向にある。 (6)季節 5月〜9月まで食が細くなり、体重も20%程度減ることがわかった。その ため、上記期間を乗りきるために、10月〜3月までに、なるべく多く餌を食 べさせ、栄養をつけさせる事が必要と考える。 (7)代謝の上げ方 湿度が低くなってしまい、目が開かなくなったような場合に有効。プレート ヒーターの上に大きめのバットに土を入れたものを置き、そこに表面に水たま りができるくらいお湯を入れ、沼のような状態にして、その上にヒラオを置く 。多分湿度は90%〜100%。大体半日で、表面の水たまりがなくなるので 、なくなったら同じようにお湯を足す。この方法で2日〜3日でうちの場合は 元通りになった。復活後に目に薄皮のようなかすが付着していて、開けずらそ うな場合には、綿棒等でふき取って上げれば大丈夫。 ---------------------------------------------------------------------- (by デューク13(2001/09/25)