Tortoise Garden


「A Habitat for Horsfield's」
(ホルスフィールドリクガメの飼育環境)

 非常にたくさんのホルスフィールドリクガメが自然界や最近のペット流通に よってコレクションされている。嘆かわしいことに、その大部分は、新たな飼 育初心者の無知によって死に至らしめられている。不適当な飼育設備や餌がそ のほとんどの場合の理由である。この問題の責務は、利益を得るために、ガラ ス製の水槽、ヒートマット(シートヒーター)、人工の爬虫類用床材、高価な UV−Bライトシステムを追加して、このリクガメを販売しているペットスト アによるところが少なくない。不幸なことに、これらの機材のほとんどは、ペ ットストアの利益のためだけにあって、リクガメにとって有害なものであるこ とにほかならない。この簡潔なレポート(個条書き)において、私たちは、ホ ルスフィールドリクガメが本当に必要としているものは何か、なぜ、魚類用の ガラス水槽は、魚類にとっては素晴らしい飼育器具であるが、リクガメにとっ ては、その逆であることを見い出すだろう。  ホルスフィールドリクガメにとって理想的な生育環境というのは、適当な床 材と景観を持ったとても安全な屋外の飼育設備と湿度が高く気温の低い季節の ための補助として、キチンと覆われた屋外の設備か屋内設備である。ホルスフ ィールドリクガメは、よく乾燥していて、排水性のよい床材を必要としている 。湿っぽい粘土質の土や草の上では、正常に飼育できない。もし、ホルスフィ ールドリクガメが湿っぽい土壌の上で飼育されるのであれば、皮膚、甲羅、そ して呼吸器官に繰り返し悪影響を与えることが予想される。もし、あなたの庭 の土がそのようなタイプの土であれば、絶望することはない。庭に少なくとも 30センチ以上の深さに穴を掘り、下の方に砂利を敷き詰める。次にその砂利 の上に、15センチほどのきめの細かい砂のような土を敷き詰める。こうする ことによって、排水性が劇的に改善され、あなたのリクガメにとって、より安 全で乾燥した環境を提供できる。その環境に、いくつかの丘や小山、岩、低木 のかたまりなどを配置することによって、この種にとってより適した基本的な 屋外飼育(生息)環境を提供することができる。  この屋外飼育設備は、明るく太陽の光がたくさん差し込む場所に設置され、 全周囲を安全に保護されなければならない。ロシアリクガメ(ホルスフィール ドリクガメ)は、卓越した穴掘りの達人であり、垂直に近い壁を登る非凡な才 能を持っている。屋外飼育設備の壁は、不透明なものを選ばなければならない 。なぜならば、透明な壁で、壁の向こうが見えてしまうと、ホルスフィールド リクガメは、壁を突き破って向こうへ出ようと延々と脱走を試みるからだ。私 たちは、コンクリートやセメントでできたブロックが、このような飼育設備の 優れた壁になることを見いだした。その高さは、少なくとも45センチを推奨 する。キツネやアライグマなどの野生の侵入者がいるエリアでは、木の枠組み を施した強力な保護用のワイヤーメッシュを被せておかなければならない。  この屋外エリアに加えて、少なくとも北の気候の地域では、屋内飼育環境が 準備されるできだろう。これは、屋外飼育設備に似たさほど大きくないサイズ の飼育設備だ。長期間の飼育で、ブリーディング(繁殖)に確かに成功するた めには、このアプローチを推奨する。そのようないくつかの気候において、彼 らを飼育する場合、十分に太陽の光が差し込むスポットに飼育設備を設置すれ ば、補助の加温は必要ないだろう。イギリスでさえ、そのようにすれば、飼育 環境の中で、30度を越える温度が達成される。  屋内に飼育環境を組み立てなければならないこともあるだろう、そのような 時は、屋内ペンやトータステーブル・タイプ(A.C.Highfield著「カメの飼育ガ イドブック」参照)のユニットが、自然状態を保つ設備として非常に優れてい るが、しばしば、ペットショップでは異なる。ガラス製の魚類用の水槽によっ て引き起こされる問題を調べる価値がある。 換気  リクガメは限られた換気性に乏しいスペースで飼育されると状態が悪くなる 。典型的なガラス水槽の飼育環境で十分な空気の流れ(換気性)を確保するに は、ファンを使って強制的に空気を循環させることだ。これをしなければ、そ の空気は、あっという間に新鮮でなくなり、汚れた空気となってしまう。リク ガメは糞尿を排泄するので、設備の中が湿って、許容できないレベルにまで達 してしまう。(この問題は、床に敷くヒートマットによって、さらに悪化させ られる)。この種の水槽での飼育では、重大な呼吸器官の問題が非常に高い確 率で発生する。 気候(大気)のコントロール不足  比較的小さな水槽の中で、リクガメのために気候(大気)を十分にコントロ ールすることは、非常に難しい。これらの生き物は、少なくとも10センチの 深さの床材を必要とする。(それは、寝るときに使ったり、温度が高くなり過 ぎた時に潜って避けたり、必要以上に皮膚から体液が蒸発しないようにするた めに利用される)爬虫類用人工床材や新聞紙は不適当である。適当な床材がな い場合、長期の飼育期間の間に結石や腎臓への疾患が予測される。 運動不足  すべてのリクガメたちは、広いスペースを必要としている。もし、制限され た条件で飼育されると、彼らはその状況から脱出しようと掘り続け、ストレス を貯めてしまう。もっとも大きなガラス水槽でも完全に不適当で、我々に言わ せれば、残酷である。  屋内設備が必要な場合、いくつかの48Wのフルスペクロラムライト、高出 力のUV−B蛍光灯(リクガメの頭上30cmの位置)、熱放射のバスキング ライトを常備した2m四方の大きな飼育設備がこの種のリクガメに安全で効果 的な環境である。前に述べたようにローム状のものと砂状のものをミックスし た床材が重要だ。これは、ケージ内を清潔に維持するために、本当に重要であ ることが立証されている。毎週、床材の表面を取り除き、新しい床材を加える といい。数カ月に一度、床材をすべて取り替える。ライトは、UV−B加熱ラ ンプではなく、UV−B蛍光灯とバスキングライトは、別々に取り付けるのが 、乾燥した地に生息するリクガメには効果的かもしれないが、我々はまだそれ を確認できていない。もっと研究が必要である。  彼らは、とても乾燥した地帯からやってきたにもかかわらず、いつも清らか で新鮮な水を得ていた。餌(植物)は、葉っぱ、花、そして少しの果実であっ た。この種は、飼育下ではとても太りやすいので、広い飼育設備の中で適度に 運動をさせてやることが不可欠である。以上のように述べてきたガイドライン にしたがった設備が用意できるのであれば、多くの飼育者が、この魅惑的なリ クガメを繁殖させることができないはずがない。このメッセージを、みんなに 、ペットショップのスタッフにささげよう、しかしながら、ロシアリクガメと 魚類用ガラス水槽がよいコンビネーションではない、ということは、不幸にも 立証することが困難である。どれだけ多くのリクガメが、ちゃんとした飼育方 法が学ばれないまま不要に死んでいくことだろう。 Recommended Reading: Practical Care of the Russian Tortoise, Testudo Horsfieldii(1999) by A.C.Highfield, video with book, Carapace Press (http://www.vidi-herp.com)


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