Tortoise Garden

我が家のリクガメの日頃の世話を紹介しています。

【餌】

毎日、朝一回与えます(その時に、餌皿を綺麗に洗います)。野草を中心に、野草が確保
できない時には、市販の葉野菜を与えています。カルシウムの補給として、炭酸カルシウ
ムをほぼ毎回餌に振りかけています。餌のバリエーションを考えていれば、ビタミン剤の
添加は、今のところ必要性を感じていません。ミネラル補給としては、スドーのミネラル
ズブロックを月に一度適当に転がしています。

【餌の保管】

野草は、採集した直後に水で洗い、濡らした状態でビニール袋に入れて、冷蔵庫(野菜室
)で保存しています。市販の葉野菜も、一度パッケージから出して、水気を付けて保存し
ています。水気をつけるのは、経験的に、鮮度の持ちがいいように感じているからです。
野草は、鮮度の維持が少しでも長くなるように、可能な限り根ごと採集しています。
野草については、与える前に再度洗って与えています。これは、土や野草そのものにリク
ガメにとって悪影響を与えるかもしれない病原菌などがついているかもしれない、という
ことをある方から聞いたので、それを少しでも予防するためです。しかし、多少土などが
付着していた方が、ミネラルなどの補給になって、いいようにも感じています。

【観察】

リクガメ飼育の基本は“毎日観察すること”だと思います。毎日餌を与えた後やその他で
も時間を見つけて可能な限り観察して、リクガメたちの様子を観察することが飼育の基本
だと思います。
餌の食べ方、餌の好き嫌い、歩き方、温度に対する行動の違い、日光浴姿、甲羅アタック、
鼻水、昨日との動きの比較、排泄物などなど、観察すべきことはいくらでもあります。そ
してその日々の観察の中から異常を感じたり、季節に応じた飼育方法を考えるセンスを身
につけていくことが重要だと思います。
【温浴】 ほとんど行っていません。理由は、自然界でのリクガメには、そのような行為はありえな いからです。しかし、自ら水を飲まない個体や水分が足りてないんじゃないか?と感じた 時、土や排泄物などで甲羅の汚れが顕著でその甲羅を綺麗にする時などに、温浴させてい ます。水分が足りてないと感じたリクガメが、温浴させると顔全体をお湯の中につっこん でゴクゴクと飲む姿はかわいいものですし、温浴させてよかったなぁ、と思います。 温浴時には、ほとんどのリクガメが尿、糞、尿酸を排泄しますので、リクガメの体調チェ ックにも役立ちます。頻度としては、特に決めていませんが、日々の観察の中で温浴の必 要性を感じた時にしている、という感じです。 また、我が家では飼育していませんが、ケヅメリクガメやホシガメなどの結石になりやす いリクガメは日常的な温浴が結石の予防にもなるため、した方がよいようです。
【散歩】 忙しいし、あまり人間の手で触るのもストレスが溜るだろう、ということで、極力触らな いようにしていますが、天気のいい休日に時間ができた時は、ケージから出して、ベラン ダや庭を散歩させています。落ちているものに興味を示しながら、あちこち歩いている様 を観察するのは、楽しいものです。

「リクガメの餌・基礎知識」

〜前書き〜 本項目は、書籍やいろんなホームページの記事などを読んでまとめたものであり、私がリク ガメ飼育の中で実際に体験したことではない、ということを了解いただいた上で読んでいた だきたいと思います。まだ、スタートしたばかりの私のリクガメ飼育ですが、今後の飼育の 中で、ここにまとめたことが徐々に少しでも証明されていけばいいなぁ、と思っています。 なお、ここで対象としているリクガメの種類は、地中海リクガメ属(Testudoと呼ばれるも の):ギリシャリクガメ、ヘルマンリクガメ、ロシアリクガメ(Testudo属ではない、とい う論議もあるようですが、ここでは含んでおきます)、エジプトリクガメ、フチゾリリクガ メ(マルギナータリクガメ)です。 「リクガメの血液循環システム」  哺乳類などの動物の血液は、心臓と肺を中心に全身を巡るような仕組みになっており、そ れによって酸素や栄養素、熱が身体に行き渡る仕組みになっています。しかし、リクガメの 血管の大部分は背中(背甲:背の甲羅)に集中していて、そこで受け取った熱を全身に運ぶ ようになっています。従って、哺乳類のように活動のすべての源を口から吸収するわけでは なく、背中から吸収する熱も非常に重要になってくるわけです。この熱が十分でないと、口 から摂取した餌を十分に消化できないため、餌を食べなくなってしまうようです。  一般的に、生活リズムが確立されているリクガメだと、バスキング(日光浴:通常、首や 手足を伸ばしきってるいる)することによって、太陽光やバスキングライトなどの光(と熱 )を背甲で吸収し、体温が30度くらいになったら食事を積極的にする、と言われています。  とある国の自然のギリシャリクガメは、朝起きて最初の食事をする前に、寝床から近い場 所で1時間くらいバスキングしてから食事に出かける、というレポートを読んだことがあり ます。 「餌の基本必要要件」  様々なレポートを要約すると、リクガメの餌の基本必要要件は、以下の4項目となります。    ------------------------------------------------------------    〔1〕低脂肪、低タンパク質である。    〔2〕カルシウムを多く含んでいる。       (適正なCa:Pの比率が保たれている、という前提で)    〔3〕各種ビタミンやミネラル分が豊富である。    〔4〕繊維質を多く含んでいる。    ------------------------------------------------------------ 〔1〕低脂肪、低タンパク質である。  飼育下のリクガメにもっとも多い病気の元凶のひとつが脂肪、タンパク質の取り過ぎによ るものと言われています。  その病気の症状というのは、脂肪の場合、肥満になり、肝臓に脂肪が蓄積され弱ってしま うと言われています。リクガメの脂肪は、肩の部分についてくるため、頭を甲羅の中にスム ーズに引っ込められなくなってしまい(これを観察でチェックしておく必要がありますね) 、症状が悪化すると黄疸が出るようです。この症状は、ドッグフードや九官鳥フードなどを 与えた場合(これらは絶対に与えてはいけません)に起こりやすいもので、草食メニューを 心がけていれば特に心配はないと考えています。  一方、タンパク質の場合です。脂肪の取り過ぎというのは、人間にも当てはまるので理解 しやすい話ですが、高タンパク質の餌もまた、リクガメに悪い影響を与えると言われていま す。野生のリクガメは、一日の全食事の量の1〜5%のタンパク質を摂取すると言われてい ますが(正確に知られているわけではない)、地中海リクガメ属の場合、これらのタンパク 質の摂取は、植物から、ということが基本だと思います。  タンパク質を摂取し過ぎると、血液中の尿素の濃度が上がり、腎臓機能を低下させたり、 尿酸が凝固して手足の間接に蓄積し通風を引き起こすこともあるそうです。また、高タンパ クな食事は、カルシウムの代謝を低下させるので、変形した甲羅になってしまったり、不自 然な成長を促すことになってしまいカメの寿命を短くしてしまうそうです。  ちなみに、地中海リクガメ(ギリシャリクガメ、ヘルマンリクガメ)の<「体重(g)/ 甲長(cm)の3乗」比の理想値は、0.21〜0.23>だと言われているので、定期的に体重 と甲長を測定して健康チェックを行うといいと思います。 〔2〕カルシウムを多く含んでいる(適正なCa:P比を維持して)  甲羅を見てもわかる通り、リクガメの成長にカルシウムは必要不可欠な栄養素です。参考 までに、リクガメの全体重の三分の一は、甲羅・骨・爪・嘴などが占めていると言われてい ます。  地中海リクガメ(Testudo属)が棲息している地域は、石灰岩の多い土壌だそうです。従っ て、そのカルシウム分を直接摂取したり、カルシウム分をたくさん含有している植物を食べ ることにより、リクガメたちは健康を維持しています。だから、日本の飼育下で通常与えて いる野草や野菜類は、リクガメたちが本来食べているものと比較して、カルシウム分が少な いことが容易に想像でき ます。従って、カルシウム含有量の多い餌やカルシウム分を補う添加剤など、カルシウム分 を意識した餌の与え方が重要になってくるわけです。 また、このカルシウム分をリクガメ が正常に成長するためには、P(リン)も適正な比率で含まれていないといけないことがわ かっています。その比率は、野生のリクガメを研究した結果、「カルシウム(Ca):リン (P)=4〜6:1」が理想的だとされています。リン(P)の比率が高いと甲羅が変形し たり、軟化したりすることがあるそうです。逆にカルシウム(Ca)が多過ぎると、尿が詰 まりやすくなるそうです。カルシウム(Ca)とリン(P)を効率良く吸収するには、ビタ ミンD3が必要だと言われています。  カルシウム分を多く含む野草/葉野菜としては、タンポポ、オオバコ、ナズナ、クローバ ー、アザミ、小松菜、モロヘイア、チンゲン菜、パセリ、チコリ、大根の葉、カブの葉など があります。ほうれん草などもカルシウム分が多く、良さそうですが、これらのカルシウム はシュウ酸と結合しているため、不溶性のシュウ酸カルシウムを形成してしまい、リクガメ の身体には吸収されないそうです。  いずれにせよ、彼らの棲息域よりもカルシウム分を摂取しにくい環境で飼育しているわけ ですから、常にカルシウム分の多い餌を与えるよう意識していたいものです。  また、餌自体にカルシウム分が少ない場合、別途カルシウムを補給する必要があります。 以下に書いたものが代表的な例です。  ・市販のカルシウム剤   爬虫類関連用品を発売している会社から出ているもの。レプチカル、   レプトビット、BPD’sなどがありますが、リン(P)の少なめの   ものを選びましょう。野草や葉野菜などの餌に振りかけて与えます。   薬局で試薬用の炭酸カルシウムが安価に売られていますが(注文して   とり寄せになるので入手に時間がかかる)、マグネシウム(Mg)が   少ないため、あまり多く与えるとリクガメの身体に影響が出るのでは   ?という意見もあります。  ・卵の殻(粉状に砕いたもの)   茹で玉子の殻からタンパク質の多い薄い膜を剥がして、乳鉢などで粉   にして、餌に振りかけて与えます。  ・イカの甲   ペットショップにも売っていますし、海が近い方なら、浜辺に散歩に   行けば落ちています。粉末にして餌に振りかけて与えます。  ・鳥用ミネラル   鳥の嘴が伸び過ぎないようにかじらせるもので、炭酸カルシウム、硫   酸カルシウム、ヨウ化カリウムが主成分です。海外製品が輸入されて   います(LM Animal Farms社etc.)。日本にも、塩土と言って、同じ目   的で作られた製品がありますが、塩分が気になるので、与えないほう   うがいいのではないかと思っています。  リクガメにとっての理想的なカルシウムの補給源は、カルシウム(Ca)の割合が多く、 リン(P)の割合が少ないもので、一番理想的なカルシウム化合物は、炭酸カルシウムだそ うです。 〔3〕各種ビタミンやミネラル分が豊富である。  自然界でリクガメたちが食べているものには、飼育下のものよりも多くのビタミンや微量 元素を含んでいます。また、野生のリクガメは、植物に付着した土もその植物と一緒に食べ ることで、いろんな種類の微量な栄養分(微量元素)を食べて身体に吸収しています。従っ て、栄養が偏らないように、可能な限り多くの種類の野草や葉野菜などを与えたいです。  以下に、主要なビタミンの種類とそれが不足した時の症状を簡単にまとめています。  ・ビタミンA   これを摂取することによって、皮膚や粘膜を健康に保たれます。ビタミン   Aが欠乏すると、眼が腫れたり、呼吸機能に障害をきたしたりします。リ   クガメの症状として有名なものに、RNS(Roony Nose Syndrom:鼻垂れ   症候群)があります。   ビタミンAを摂取するには、カロチンを多く含む野菜や果物がよいとされ   ています。カロチンが体内でビタミンAに変成されることによって、リク   ガメの体内に吸収されます。   ビタミンAは、ビタミンE、D3などと同様に過剰症を起こします。これ   の症状は、角質増殖症や皮膚のただれなどで、不足の時の症状と似ている   そうです。   したがって、ビタミンAそのものを含むビタミン剤の過剰投与は、分量を   きちんと把握できないし、所定分量もわからないので、注意が必要です。   カロチンのような二次的な形で摂取する方が、過剰のものはビタミンAに   変成されないので、過剰症の心配がなく安心です。   天然のビタミンAの供給源は、タンポポの葉が有効です。タンポポには、   100gに14,000i.uものビタミンAが含まれているそうで、その他には   多くの微量元素も含まれているので、リクガメ飼育の基本の主食として利   用されています。   いずれにせよ、ビタミンなどは、人工的なサプリメントを可能な限り利用   せず、天然の食物から摂取するように心がけたいものです。  ・ビタミンC   ビタミンCが欠乏すると、口内炎や細菌性の感染症を引き起こすと言われ   ています。人間にとってもおなじみの栄養素です。新鮮な葉野菜をキチン   と与えていれば、まず、不足することはありません。  ・ビタミンD3   リクガメがカルシウム(Ca)やリン(P)を吸収するために欠かすこと   の出来ないビタミンです。ビタミンD3が不足すると、正常な骨や甲羅の   成長に影響が出ます。幼体のカメの場合、骨、甲羅の軟化や変形といった   クル病の症状が現れます。このビタミンは、ビタミン剤による摂取も可能   ですが、過剰症の恐れがあります。元来、リクガメは、紫外線(太陽光)   に当たることで、皮膚の下に自らビタミンD3を生成する機構を体内に持   っていますので、紫外線(UVBが基本)の照射が不可欠です。従って、   紫外線に当たるために、太陽光による日光浴(バスキング)が非常に重要   なことであることがわかります。屋内飼育の場合、太陽光に当たるのが困   難な場合には、必ず、紫外線(UVB)を放射する蛍光灯(トゥルーライ   ト等)を設置するようにします。  ・ヨード(I)   ヨードが欠乏すると、元気がなくなり、さらに甲状腺腫になり、喉の下が   腫れてくる、と言われています。この症状は、食物中のヨードが不足する   場合と甲状腺腫誘発物質であるゴイトロゲンという物質を多く含む餌を継   続的に長期間与え続けることによって起こる場合があります。   従って、予防としては、ゴイトロゲンを多く含む食物(キャベツ、ブロッ   コリー等)に偏った餌ばかりを与えないようにすることが重要です。  リクガメの飼育の基本は、さまざまな野草や葉野菜などの自然の食物をしっかり食べさせ ることだと思います。いろんなものを餌に与えてみて、それでも体調が優れないようだ、と いうように、栄養が十分でないと考えられる場合(最終手段として)に、市販の総合ビタミ ン剤等を適宜与えるようにしたいものです。 〔4〕繊維質を多く含んでいる。  食物繊維はリクガメの消化を助けます。食物中の食物繊維が不足すると、リクガメは下痢 を起こしたり、不活発になったりします。また、突発性の腹痛を起こしたりもするそうです。  野生のリクガメは、飼育下のものよりもはるかに多くの食物繊維を摂取していることが、 その糞の調査から知られているそうです。食物繊維は、リクガメの腸内の寄生虫を排出する のを助ける働きも持っているとも言われています。従って、摂取する食物繊維が少ないと、 腸内の寄生虫を必要以上に増殖させてしまうことにもなりかねません。  食物繊維は、さまざまな植物に含まれていますが、特にアルファルファや干し草、芝など に多く含まれています。芝は、食物繊維の供給源として、とても優れている食物ですが、地 中海リクガメ(Testudo属)の仲間はあまり食べないと言われています。その理由として、 地中海リクガメの仲間は、芝の主成分であるセルロースを消化する機構を体内に持っていな いからだと言われています。従って、地中海リクガメの仲間には、芝以外の植物で食物繊維 を摂取させるようにしたいものです。オオバコなどは好んでよく食べます。 「食事の代表例」  リクガメの食事になる食物の代表例を以下に列挙します。あくまでも、主食は野草と葉野 菜である、という前提で、他のものは、少量におさえていろんな書類の食物を与えたいもの です。 主食(野草) タンポポ、オオバコ、クローバー、ハコベ、ナズナ、タビラコ、カラスノエンドウ、アザミ。 可能な限り、新鮮な自然の野草を与えることを基本とする。 上記以外でも、セリ、ヨモギ、その他名前がわかりにくい野草も食べます。少しの時間でも 庭や空き地に連れ出して、そのへんに生えている野草を食べさせることは大切なことだと考 えます。ただし、野草を採集する際には、犬猫の排泄物(これから病原菌をもらうかもしれ ない)、排気ガス、農薬などが付着がないことを確認したり、与える前によく洗ってから与 えるようにしましょう。 主食(野菜) チンゲン菜、小松菜、モロヘイア、サラダ菜、カブの葉、大根の葉、京菜、枝豆の葉、ケー ル、ツルムラサキ、豆苗、サツマイモの葉など。他に、レタス(水分補給)、サニーレタス 、パセリ、クレソンなど。出来るだけさまざまなものをバランスよく与えるよう心がけてお きましょう。 副食(野菜) トマト、ニンジン、オクラ、キュウリ、ズッキーニ、トウモロコシなど。茹でてブロッコリ ー、カリフラワー、カボチャ、アスパラガス、インゲン、グリーンピース、枝豆、そら豆な ど。ただし、豆類の与え過ぎは要注意です。ニンジンやトマトなどの赤いものは好きなよう です。 ※我が家では、月に一度ほど冷凍ミックスベジタブルをレンジで解凍して与えています。  大好きなようです。 副食(果物) リンゴ、メロン、いちご、バナナ、梨、マンゴ、桃など。過剰な糖分は、リクガメの体調を 崩しますので、与え過ぎには注意です。一週間に少量を1、2度という感じでしょうか。 副食(市販の人工配合飼料) 各種リクガメ専用の飼料が発売されています。多用せず、成分表を確認して(特にタンパク 質の少ないものを選びましょう)、サプリメント的に時々与えるようにした方がいいようで す(月に2、3度くらい)。 地中海リクガメ(Testudo属)には、九官鳥フード、レプトミン(水棲ガメ用)まったく必 要ありませんので、与えないようにしてください。 その他 野草、葉野菜が入手しにくい時は、観葉植物や鉢植え植物の葉が利用できます。アロエなど の多肉植物、ビオラ、菊、ハイビスカス、ブライダルベール、松葉菊などのいろんな植物の 葉を食べるようです。花屋で売られているものは、農薬が使用されているので、種や苗から 育てて与えた方が安全です。 ※各食物の成分構成は、別途先輩方のページを参照されてください。


【湿度について】
リクガメは、飼育において湿度が影響するようです。10分程度の温浴ではなんともない
のに、高湿度の日が何日も続くと体調を崩すリクガメの種類や個体がいるのです。また、
逆に湿度を確保する、と言っても床材にしっかりと水分を含ませ大気中の湿度を確保しな
ければならない種類います。種類によって、湿度の影響が異なりますので、実際の経験と
周辺おの情報を以下に示します。
(あくまでも、独自の考えですので、鵜呑みにせずに飼育の参考にされてください。)

・ギリシャリクガメの場合
 亜種が多いので一概には言えませんが、イベラ種を中心に書けば、ロシアリクガメより
 は湿度に強いと思いますし、水もよく飲みます(水は飲む個体と飲まない個体といます
 )。雨の日でも元気に雨の中を歩き回る個体もいるほどです。しかし、基本は乾燥を維
 持した方がよいと思いますので、飼育スペースは濡らさない方がよいと思います。屋外
 飼育の場合には、雨が降り込まないスペースを確保してあげた方がいいと思います。

・ヘルマンリクガメの場合
 ギリシャリクガメに順次しますが、ギリシャリクガメよりも多少湿度に強い印象を受け
 ます。

・ロシアリクガメ(ホルスフィールドリクガメ)の場合
 基本は乾燥飼育です。床材は湿らさない方がいいです。低温よりも高湿度で体調を崩す
 ような気がします。なので、梅雨時などは要注意で、屋外飼育の場合には、可能な限り
 飼育スペースに雨が降り込まないようにした方が無難です。暑き季節に霧吹き程度の湿
 度は問題ありませんが、雨で床材がべちゃべちゃになってそれが何日も続くようであれ
 ば危険です。元来、乾燥した地域に生息する種類なので雨の多い季節には、屋内飼育の
 方が元気に過ごしてくれる気がします。

・アフガンヨツユビリクガメの場合
 2004年頃、大量に輸入された時期がありましたが、国内での飼育はかなり難しいと
 思います。低温には比較的強く、真冬でも屋外にケージをおいて、ホットスポットだけ
 で乗り切れました。しかし、日本の梅雨の高湿度に弱いらしく、何千匹、何万匹国内に
 輸入されたのかわかりませんが、ほとんど生存していないと思います。成長速度も速く
 迫力があり、いいリクガメなのですが、日本の気候に合わないと思います。あるショッ
 プの店員さんの話では、たくさんアフガンのベビーがはいったケージに霧吹きをしたら
 ほとんどが死んでしまったそうです。温浴では大丈夫なのですが、湿度が長時間高いま
 まだとだめなようです。今でも飼育がしたくて探している人が多いそうですが、一年中
 乾燥環境が維持できる温室のような飼育環境が確保できる人でない限り、飼育はしない
 方が彼らのためだと思います。

・マルギナータリクガメ(フチゾリリクガメ)の例
 同じ地中海系リクガメですが、ギリシャリクガメやヘルマンリクガメよりも湿度に弱い
 印象を受けます。生息地のギリシャですが、アテネの公園などにこのカメがいる環境を
 見てみますとやはり乾燥した地域のようです。屋外で湿度を下げることが難しい場合に
 は、湿度が上がりにくい屋内の方が飼育環境に適している場合があります。

・アカアシリクガメの場合
 中米、南米の高温で湿度が高い地域に生息する種類です。アダルト個体は、乾燥にも強
 いですが、小さいうちは、床材がたっぷり水気を含んだ状態での飼育がよいようです。
 小さいうちに湿度が低いと甲羅が凸凹になりやすいと聞きます。あるショップの店員さ
 んの話では、小さいうちは新聞紙をべちゃべちゃにして、水槽の壁が曇るくらいの湿度
 を維持した環境で飼育した方が正常に育つと聞いたことがあります。夏の間は、植え込
 みの多い庭での放し飼いも魅力です。

・エミスムツアシガメの場合
 インドネシアやタイといった熱帯地域に生息する種類です。湿度を求める種類で、梅雨
 時は特に調子がいいようです。体の入る水入れによく浸かりますし、水もゴクゴクとた
 くさん飲むので、水分の供給は必須です。水入れの設置はもちろんのこと、床材を湿ら
 せます。あるショップの店員さんの話では、小さい時は、ヤマガメのように飼育スペー
 スの一部が水エリアとなっているような環境で飼育した方がよいと聞いたことがありま
 す。

・ベルセオレガメの場合
 アフリカのジャングルなどの湿度のある環境に生息する種類です。腐葉土を床材にして
 見た目に十分湿っているとわかるくらいに水を含ませます。水入れは腐葉土ですぐ水が
 汚れてしまうので、数日おきに温浴をさせ水を飲ませます。
 ※情報不足です。どなたかベルセオレキーパ−の方、ご教授ください。

■生息地の写真を見ていると、地中海系リクガメはほとんど乾燥した地域に生息しているようです。
 (生息地の写真は、写真の共有サイト“Flickrwww.flickr.com)”で探すことができます。)


「我が家の診察例」=RNS(鼻水)=

診察個体:マルギナータリクガメ(17cm雄)
費用:3,900円
処方:点鼻薬(タリビット)、駆虫薬(一回分)
内容:
鼻水が長引くので診察してもらいました。
この個体は、屋内育ちのせいで、すぐには屋外飼育には耐えれなかったのかも、
ということでした。しばらく、ケージ飼育に戻し、点鼻薬をしながら、徐々に
屋外の環境にならしていきましょう、とのことでした。この個体は、CBで屋
内育ちだからそういうこともありうるなぁと納得。筋肉が落ちているとのこと
。糞を顕微鏡で見せてくれた。小さな寄生虫が見えました。
ケージ環境は、最低温度25度、最高温度35度、水場とパネルヒーターの上
とそうでないところにシェルターを設置というようなアドバイスをイラストを
書いていただいて受けました。ビタミン類(D3、A)は、餌(野草や葉野菜
)から摂取できるので、添加する必要はなし。UVB蛍光灯は、トゥルーライ
ト、レプチサン、パワーUVBが獣医業界で実績があるので、と薦められまし
た(照射距離は30cmで10〜12時間照射)。半年毎に交換すること。メ
タルハライドランプはどうですか?と訪ねたところ、獣医業界で実績がないの
でやめておいた方が無難とのことでした。
【やはり獣医さんに直接お話を伺うと安心感が違いますね。】
※この個体は無事元気になりました。先生ありがとうございました。


「梅雨時の対応」

地中海リクガメは、長時間低温で湿度が高い環境にさらすと体調を崩すので、
梅雨時はバスキングライトのある雨のかからない環境が必要。湿度が気になる
ところだが鼻水などの諸症状がなく、雨が直接降りかからなければ外気温、湿
度の変化に慣れさせることと通気性を考慮して可能な限り屋外飼育を実施した
い。


「嘴(クチバシ)の手入れ」

柔らかい餌やみじん切りした餌ばかりを与えるとクチバシが長く伸びるといわ
れています。さいわい我が家で育ったリクガメたちにその症状はみられません
が、里子でやってくる個体の中には、時々クチバシが伸びている個体がいます
。
我が家のクチバシ伸び防止として思い当たる点は、以下のことです。

・カルトボーン(イカの甲)や牡蠣の殻を常時ケージ内に転がしておいて、
 いつでもかじれるようにしておく。
 (カルトボーンは頻繁にかじります。)
・チンゲン菜、小松菜、ニンジンなどを細かく切らずに、そのまま与えて、茎
 の部分もかじらせる。
 (小さい個体でも、一生懸命かじっています。)

里子でやってきたアダルトペアのロシアリクガメの異常に伸びた嘴を人間用爪
きりで少しずつ削ってみました。

↑伸びすぎた嘴 ↓嘴を爪きりで削ってみました(雄のロシアリクガメ)

↑伸びすぎた嘴 ↓嘴を爪きりで削ってみました(雌のロシアリクガメ)


「駆虫」

〜以下に書く事は、自己責任の範囲において実施してください〜
通常、リクガメの駆虫を行うのは、爬虫類専門の獣医さんに駆虫薬を処方しても
らうのが基本ですが、犬用のピペラックスシロップと言う物でも代用できます。
液体で飲まし易く実際に30匹以上の個体に試して良好な結果が出ている(蟲も必
ず出ている)

(Answered by Eさん)


「屋外飼育時の猫避け対策」

猫避けには、にんにくや柑橘類が一番。
輪切りにしてぶら下げて置けば、カメが食べても安全な最高の猫避けになります。
それににんにくは、日持ちもグー。

(Answered by Kさん)


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