フライフィッシングは、“魚を釣る”ということをインタフェースとした自
然を理解する手段でもある。気温、水温、渓相、風、時間帯、それらによって
発生する餌となる昆虫たち（渓流魚の食べ物）というように、分析し、総合評
価した結果、フライ（毛針）に魚が飛び出してくるのだ。偽物の餌を使うだた
めに、より正確に自然を読む力が必要となり、それはフライフィッシングを続
けることによって研ぎ澄まされていく。
　そのフライフィッシングで魚を釣るための重要なファクターのひとつが“時
間”だ。昔から、フライフィッシングに限らず、魚釣りの世界では、朝マズメ
、夕マズメ、と言って、明け方と夕方の薄暗いわずかな時間が、魚の警戒心が
薄らぎ、釣り易いと一般的に言われている。
　とりわけ、フライフィッシングにおいては、夕マズメがよいとされている。
“イブニングライズ”と言って、夕方になると、魚たちはまるで何も警戒して
いないかのように、無防備にフライに飛びついてくるのだ。びっくりするよう
な大きな魚が、ありふれた釣り場で釣れることもしばしばだ。そんな時間を“
プライム・タイム”と読ぶ人もいる。

　“プライム・タイム”私のたちの日常の生活の中でそんな時間はあるだろう
か？。身体の調子がいい時間とか、なんだかあれこれアイデアを出したくなる
時間とか・・・。私たちは、午前７時とか、午後８時という、人間が生み出し
た数字の時間によって行動をするのが基本的だ。
　地球上の動物たちは、地球のサイクルに合わせて生活している。月の満ち欠
けや潮の満ち干きもそうだが、明るくなったから起きる、暗くなったから帰宅
して寝る、という自然のサイクルに合わせた生活だが、人間だけ、それを無視
していないだろうか？。人間もその他の動物と同じで、地球の動きに合わせて
、やる気が出たりしているのではないだろうか？と思っているのだ。あまりに
も時間管理にとらわれてしまって、そこんとこの神経が麻痺してしまっている
のではないか？と。

　で、ここで何が言いたいのか？というと、そんなやる気になった時間に勉強
をしたり、眠くなった時に眠ったりする、というような教育体系というものが
あってもいいのではないか？と思ったのである。なるべく人工的な景色や音が
ないほうがいいから、里山あたりで、目が覚めるまで眠り、したくなった時に
したくなったことをやる。各自のプライム・タイムに合わせた生活パターンで
勉学に励む、そんな学校があっても面白いなぁ、と。